ゆうゆうの里
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12/13京都文教大学 出張講義について

2025年1月27日

京都文教大学で臨床心理学部の学生を対象とした講義を実施しました。

令和6年12月13日(金)、京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 二本柳 覚准教授の『関係行政論(高齢者領域)』の授業にて、心理学を専攻する大学生43名に対し、テーマ「京都〈ゆうゆうの里〉での高齢者の生活~多職種連携に裏付けられた“安心”のかかわり~」についてゲストスピーカーとして、京都〈ゆうゆうの里〉の施設長、入居者募集担当、生活支援担当、介護職員、看護職員、人事・採用担当の職員6名が講師を務め、出張講義を行ってまいりました。

「心理学を学んだ学生がその学びを将来どう活かせるのか?」
受講生の多くは、公認心理士を目指す学生。心理学の学びに対して、学生の皆さんが積極的かつ肯定的に受け止めていけるような講義になれば、との二本柳准教授の思いを受けての講義になりました。

一昨年に引き続き2回目になりましたが、今回の授業では、高齢者がお元気な時から入居する有料老人ホーム〈ゆうゆうの里〉における独自の多職種連携について、具体的な事例を用いて実際の高齢者福祉の現場の様子をお伝えしつつ、高齢者福祉分野で心理学がどのように活用されているのか、またどのように役立つ可能性があるのかを解説しました。講義は、入居者インタビュー動画の視聴や京都文教大学の教室から京都〈ゆうゆうの里〉をオンラインで結び、同大学2023年新卒の若手職員が生中継で登場するなど、親しみやすい雰囲気で、学生の皆さんが大学で学んだ心理学の知識やスキルを高齢者福祉の現場でどのように応用できるかについて考える機会にしていただきたいという想いを込めて、構成を工夫しました。また、事例の高齢者のライフステージに合わせて次々に講師を変えたことで、より一層多職種連携を実感していただけたのではないでしょうか。

受講後の学生の感想には、「高齢者福祉の特に介護期支援は、心理学の知識があるのとないのとでは支援の質に違いが出るのではないかと考えた」

「営業の方(入居者募集担当)の麻雀が好きだという話から見学コースに麻雀サークルを入れたという話をきいて、これは、心理職のカウンセリングの場面でも、相談者さんの好きな事から相談者さんとの距離を少しでも縮める部分に似ていると思った」

「長い間生きると様々な悩みや別れがあり、それを何度も乗り越えなければならないが、心理学を用いて少しでも心が軽くなるようなサポートを行うことが出来れば良いなと考えた」

「たとえ、心理職の配置がなくても心理学の知識を活かせる職場だと感じた」

等、高齢者福祉の現場と自分たちが学んだ心理学が繋がったようでした。

また、京都〈ゆうゆうの里〉に関しては、

「老人ホームは少し暗いイメージがあったが、入居者の皆さんがとても活き活きと生活されており、印象的だった」

「老人ホームに対して個人的に持っていた閉鎖的で陰気なイメージが覆った」

「改めて、介護に偏見を持っていたのだと気付かされた。自分の偏見がなくなった。」

「介護という人生の終盤に向けて支援することはとてもやりがいのある職業だと思った」「心理目線で考えていた想像とは違った仕事内容があり、心理学の学びを活かすこともでき、また様々なことを体験できる職業だと感じた」等、嬉しい感想をいただけました。

加えて、

「京都〈ゆうゆうの里〉は、本当に“ありがとう”で溢れていた」

「“ありがとう”という言葉の素敵さを改めて感じることが出来た」

等、今回の講義が当法人の採用キャッチコピー『たくさんの「ありがとう」にありがとう』を実感していただき、高齢者福祉の魅力をお伝えする機会にできたことは大変ありがたいことでした。

二本柳准教授からは、「公認心理士に関しては、実際には医療機関のある特定の行為を取るために置いている程度で、どの分野においても配置義務がないのが現状。ただ、高齢者の終末期ケアやご家族に対するグリーフケア、入居者の方々の精神的安定を保っていくための職員プログラムなど、公認心理士が必要になって来る業務が多々あるので、皆さんが学んだ心理学を活かして各領域で仕事をする、それらの積み重ねによって公認心理士の配置基準は勝ち取れていくものではないか。心理職の配置について社会に働きかけていくことも、皆さんの役目なのではないか。」との課題も示しておられました。

今回の授業が、学生の皆さんの学びやキャリアの方向性に役立つきっかけとなれば幸いです。心理学の視点が福祉や医療の現場でさらに活かされることを期待しています。