京都〈ゆうゆうの里〉は令和5年12月15日(金)、京都文教大学臨床心理学部臨床心理学科 二本柳覚先生の『関係行政論』にて、43名の学生に対し、講義を行いました。
「心理学を学んだ学生がその学びを将来どう活かせるのか?」
受講生の多くは、公認心理士(日本初の心理職の国家資格、2018年に第1回の国家試験実施)を目指す学生。心理学の学びに対して、学生の皆さんが積極的かつ肯定的に受け止めていけるような講義になれば、との二本柳先生の思いを受けての講義になりました。
「京都〈ゆうゆうの里〉での高齢者の生活を~多職種連携に裏付けられた“安心”のかかわり~」をテーマに、ご入居者のインタビューと事例紹介、同大学の2023年卒卒業生、一年目職員の施設からの職場紹介(生中継)を交え、職員6名がそれぞれの立場(施設長、入居者募集、生活支援・介護、人事・採用)で講義を行いました。
今回のような、有料老人ホームの具体的な事例紹介は非常に稀で、学生の皆さんは、興味津々、真剣な眼差しで、視聴くださっていました。
「老人ホームに入ると聞くとイメージが悪く、どちらかというと否定的であったが、今回の事例を聞いて、〈ゆうゆうの里〉のような施設であれば“人生の最終ステージの選択肢のひとつ”としてとても有効だと感じた。」「“ありがとう”が溢れる環境では自ずと信頼関係が構築され、それぞれの安心に繋がる。そこにはやりがいのある仕事があると感じられた。」「高齢者福祉分野における心理職の意義や価値が再確認でき、学びの多い時間になった。」「考えもしていなかったが、福祉分野、高齢者福祉分野が就職先の選択肢のひとつになった。」「心理学部としての学びだけでなく人生の学びになった。」等、続々と嬉しい感想をいただけました。
二本柳先生からは、「社会の中では、国家資格化された心理職をどのように活用していくかを、手探りで進めているのが実状。しかし、今回の講義を聴いて、「喪失感」だったり「伴侶を亡くされた方へのグリーフケア」等、高齢者にも心理的課題が多いことを実感できたと思う。福祉職に就いても心理学が活かせること。さらに、皆さんが先駆者として、学んだ心理学を活かして仕事をすることで、心理職の配置について社会に働きかけていくことも、皆さんの役目なのではないか。」と課題も示しておられました。
今回の講義を通じて、高齢者福祉の現場はもちろん、あらゆる場所、職業で、心理学を学ばれた学生の皆さんが活躍できることを少しでも感じ取ってくださっていたら幸いです。
日本老人福祉財団では、今後も介護・福祉の理解を深める取り組みや地域貢献事業に力を入れて取り組んでいきたいと思います。